【国税庁】帳簿の提出がない場合等の加算税の加重措置について

2022年11月25日

令和4年度税制改正により、記帳水準の向上に資する観点から、記帳義務の適正な履行を担保し、帳簿の不保存や記載不備を未然に抑止するため、過少申告加算税・無申告加算税の加重措置が講じられました。

概要

帳簿を作成・保存する義務のある事業者の方について、売上に関する帳簿を保存していなかったことや、帳簿の売上げについての記載が不十分であったことが税務調査において把握された場合には、帳簿に記載すべき事項に関する申告漏れ等に対して通常課される加算税(過少申告加算税・無申告加算税)の割合が最大10%加重される措置が講じられました。

(1)帳簿の提示等をしなかった場合
 ⇒ 過少申告加算税等の割合が10%加重されます。

(2)帳簿への売上金額の記載等が、本来記載等をすべき金額の2分の1未満だった場合
 ⇒ 過少申告加算税等の割合が10%加重されます。

(3)帳簿への売上金額の記載等が、本来記載等をすべき金額の3分の2未満だった場合((2)に該当する場合を除く)
 ⇒ 過少申告加算税等の割合が5%加重されます。

対象となる事業者

●事業所得、不動産所得、山林所得を生ずべき業務を行う個人事業者
●法人
●消費税の課税事業者

対象となる帳簿

●仕訳帳・総勘定元帳の売上げ(収入)の金額に関する部分
●売上帳・現金出納帳などの売上げ(収入)の金額が確認できる帳簿

適用時期

令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来する申告所得税、法人税・地方法人税、消費税について適用されます。

したがって、各税目については、通常、それぞれ以下のとおり適用される場面が生じ得ることとなります。
・申告所得税:令和5年分から適用。
・法人税・地方法人税:令和5年10月決算期分(例えば、3月決算法人の場合には令和6年3月決算期分)から適用。
・消費税:課税期間が1年間の場合には、申告所得税、法人税・地方法人税と同様。課税期間の特例を適用している場合には、令和5年10月以降に課税期間が終了するものから適用。

詳細は国税庁ホームページをご覧ください。
帳簿の提出がない場合等の加算税の加重措置に関するQ&A.pdf (nta.go.jp)
売上げに関する帳簿を作成・保存していない事業者の方は加算税が重くなります.pdf (nta.go.jp)