【国税庁】納税義務の免除(消費税)

2022年8月18日

[令和3年9月1日現在法令等]

対象税目

消費税

概要

消費税では、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者は、その課税期間における課税資産の譲渡等について、納税義務が免除されます(注)。

(注)その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても特定期間(※)における課税売上高が1,000万円を超えた場合は、その課税期間から課税事業者となります。なお、特定期間における1,000万円の判定は、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできます。

※ 特定期間とは、個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいい、法人の場合は、原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6か月の期間をいいます。

詳しくは、パンフレット「消費税法改正のお知らせ」(平成23年9月)および「消費税法第9条の2 事業者免税点制度の判定について(新たに設立した法人等の特定期間) (平成23年9月)」をご参照ください。

<消費税の納税義務の免除>
納税義務が免除される事業者(以下「免税事業者」といいます。)は、課税資産の譲渡等を行っても、その課税期間は消費税が課税されないことになり、課税仕入れおよび課税貨物に係る消費税額の控除もできません(課税売上げに係る消費税額よりも課税仕入れ等に係る消費税額が多い場合でも、還付を受けることはできません。)。

また、課税売上高は、課税取引の売上金額と輸出取引などの免税売上金額の合計金額から、売上返品や売上値引き、売上割戻しなどの合計額を差し引いた残額をいいます(課税取引の売上金額および売上返品等の金額の合計額には、消費税額と地方消費税額は含みません。)。

なお、基準期間における課税売上高は、原則として、個人事業者の場合は前々年の課税売上高のことをいい、法人の場合は前々事業年度の課税売上高のことをいいます(注1)。基準期間が1年でない法人の場合は、1年相当に換算した金額により判定することとされており、具体的には、基準期間中の課税売上高を、基準期間に含まれる事業年度の月数で割った額に12を掛けて計算した金額により判定します。

新たに設立された法人については、設立1期目および2期目の基準期間はありませんので、原則として納税義務が免除されます。

しかし、基準期間のない事業年度であっても、その事業年度の開始の日における資本金の額または出資の金額が、1,000万円以上である法人や特定新規設立法人に該当する法人の場合は、納税義務は免除されません(注2)。

詳しくは、コード6503「基準期間がない法人の納税義務の免除の特例」をご参照してください。

(注1)基準期間が免税事業者の場合は、その基準期間である課税期間中の課税売上高には消費税が含まれていないので、その基準期間の課税売上高の計算時には税抜きの処理を行う必要はありません。

(注2)特定新規設立法人とは、平成26年4月1日以後に設立した新規設立法人(その事業年度の基準期間がない法人で、その事業年度開始の日における資本金の額または出資の金額が1,000万円未満の法人)のうち、次の1、2のいずれにも該当する法人です。

1 その基準期間がない事業年度開始の日において、他の者によりその新規設立法人の株式等の50パーセント超を直接または間接に保有される場合など、他の者によりその新規設立法人が支配される一定の場合(特定要件)に該当すること。

2 上記1の特定要件に該当するかどうかの判定の基礎となった他の者およびその他の者と一定の特殊な関係にある法人のうちいずれかの者(判定対象者)のその新規設立法人のその事業年度の基準期間に相当する期間(基準期間相当期間)における課税売上高が5億円を超えていること。

<課税事業者を選択する旨の届出>
免税事業者は、仕入れ等にかかった消費税額の控除ができないので、課税売上げに係る消費税額よりも課税仕入れ等に係る消費税額が多い場合でも、還付を受けることはできません。

輸出業者のように経常的に消費税額が還付になる事業者等は、課税事業者となることを選択することによって還付を受けることができます。

課税事業者となるためには、納税地の所轄税務署長に「消費税課税事業者選択届出書」を提出することが必要です。

この届出書は原則として、適用しようとする課税期間の初日の前日までに提出することが必要です。

この届出書を提出した事業者は、事業を廃止した場合を除き、原則として、課税事業者となった日から2年間は免税事業者となることはできません。

なお、免税事業者に戻ろうとする場合には、免税事業者に戻ろうとする課税期間の初日の前日までに「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出する必要があります。ただし、消費税課税事業者選択届出書を提出した事業者が、課税事業者となった課税期間の初日から2年を経過する日までの間に開始した各課税期間中に、国内において調整対象固定資産(注)の課税仕入れや調整対象固定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取り(以下「調整対象固定資産の仕入れ等」といいます。)を行い、かつ、その仕入れた日の属する課税期間の確定申告を一般課税で行う場合には、原則として、その調整対象固定資産の仕入れ等を行った課税期間の初日から3年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出することはできず、免税事業者となることはできません。また、「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出し、簡易課税制度を選択することもできません。

詳しくは、パンフレット「消費税法改正のお知らせ」(平成22年4月)をご参照ください。

(注) 「調整対象固定資産」とは、棚卸資産以外の資産で、建物およびその付属設備、構築物、機械および装置、船舶、航空機、車両および運搬具、工具、器具および備品、鉱業権その他の資産で一の取引単位の価額(消費税および地方消費税に相当する額を除いた価額)が100万円以上のものをいいます。

届出書の詳細については、コード6629「消費税の各種届出書」をご参照ください。

詳細は国税庁ホームページをご覧ください。
納税義務の免除|国税庁 (nta.go.jp)