【国税庁】必要経費の知識

2021年4月16日

必要経費に算入できる金額

事業所得、不動産所得及び雑所得の金額を計算する上で、必要経費に算入できる金額は、次の金額です。

(1)総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
(2)その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

必要経費の算入時期

必要経費となる金額は、その年において債務の確定した金額です。
つまり、その年に支払った場合でも、その年に債務の確定していないものはその年の必要経費にはならず、逆に支払っていない場合でも、その年に債務が確定しているものはその年の必要経費になります。
この場合の「その年において債務が確定している」とは、次の三つの要件を全て満たす場合をいいます。

(1)その年の12月31日までに債務が成立していること。
(2)その年の12月31日までにその債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること。
(3)その年の12月31日までに金額が合理的に算定できること。

必要経費に算入する場合の注意事項

(1)個人の業務においては一つの支出が家事上と業務上の両方にかかわりがある費用となるものがあります。((例)交際費、接待費、地代、家賃、水道光熱費)
  この家事関連費のうち必要経費になるのは、取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合に限られます。
(2)必要経費になるものとならないものの例
 ・生計を一にする配偶者その他の親族に支払う地代家賃などは必要経費になりません。逆に、受け取った人も所得として考えません。
 ・生計を一にする配偶者その他の親族に支払う給与賃金(青色事業専従者給与は除く)は必要経費になりません。
 ・業務用資産の購入のための借入金など、業務のための借入金の利息は必要経費になります。
 ・業務用資産の取壊し、除却、滅失の損失及び業務用資産の修繕に要した費用は、一定の場合を除き必要経費になります。
 ・事業税は全額必要経費になりますが、固定資産税は業務用の部分に限って必要経費になります。
 ・所得税や住民税は必要経費になりません。
 ・罰則、科料及び過料などは必要経費になりません。
 ・公務員に対する賄賂などについては必要経費になりません。

[令和2年4月1日現在法令等]

【出典】No.2210 やさしい必要経費の知識|所得税|国税庁 (nta.go.jp)