【国税庁】国内取引の納税義務者(消費税)

2022年6月1日

[令和3年9月1日現在法令等]

対象税目

消費税

概要

国内取引の納税義務者は、事業として、資産の譲渡や貸付け、役務の提供を行った事業者です(注)。この事業者とは、個人事業者(事業を行う個人)と法人をいいます。

法人でない社団または財団で代表者または管理人の定めのあるものは、法人とみなされます。

事業を行っていない給与所得者などは消費税の納税義務者にはなりません。国や地方公共団体、公共法人、公益法人等などが資産の譲渡や貸付け、役務の提供を行う場合は、消費税の納税義務者となります。

(注) 電気通信回線(インターネット等)を介して、国内の事業者・消費者に対して行われる電子書籍・広告の配信等のサービスの提供(「電気通信利用役務の提供」といいます。)については、これまで、国内の事務所等から行われるもののみ消費税が課税されていましたが、平成27年10月1日以後、国外から行われるものについても、消費税が課税されることとされています。

この改正に伴い、国外事業者が行う「電気通信利用役務の提供」のうち、「事業者向け電気通信利用役務の提供」(例:「広告の配信」等)については、当該役務の提供を受けた国内事業者に申告納税義務を課す「リバースチャージ方式」が導入されています。

上記の見直しのほか、所要の改正が行われています。詳しくはコード6118 「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について」をご参照ください。

<納税義務の免除>
消費税には免税点が設けられており、基準期間(個人事業者の場合はその年の前々年、事業年度が1年である法人の場合はその事業年度の前々事業年度)における課税売上高が1,000万円以下の事業者は消費税の納税義務が免除されます(注1、2)。

この課税売上高は、輸出取引なども含めた消費税の課税取引の総額から返品を受けた金額や売上値引き、売上割戻しなどを差し引いた金額で、消費税額と地方消費税額は含まないこととされています。

なお、基準期間が免税事業者の場合は、その基準期間である課税期間中の課税売上高には、消費税が課税されていませんから、税抜きの処理を行わない売上高で判定します。

(注1) その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても特定期間(※)における課税売上高が1,000万円を超えた場合、当課税期間から課税事業者となります。なお、特定期間における1,000万円の判定は、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできます。

※ 特定期間とは、個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいい、法人の場合は、原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6か月の期間をいいます。

詳しくは、パンフレット「消費税法改正のお知らせ」(平成23年9月)および「消費税法第9条の2 事業者免税点の判定について(新たに設立した法人等の特定期間)(平成23年9月)」をご参照ください。

(注2) 課税事業者が、高額特定資産または自己建設高額特定資産の仕入れ等を行った場合は、当該高額特定資産等の仕入れ等の日の属する課税期間の翌課税期間から一定の期間について、事業者免税点制度および簡易課税制度の適用が制限されます。

詳しくは、経過措置も含め、パンフレット「消費税法改正のお知らせ」(平成28年4月(平成28年11月改訂))をご参照ください。

<選択による課税事業者>
免税点以下の事業者であっても、選択により課税事業者となることもできます。この場合は、原則として課税事業者になろうとする課税期間の前の課税期間中に、納税地の所轄税務署長に「消費税課税事業者選択届出書」(以下「選択届出書」といいます。)を提出することが必要です。

なお、この選択届出書を提出した事業者が、課税事業者をやめ免税事業者に戻ろうとする場合は、納税地の所轄税務署長に「消費税課税事業者選択不適用届出書」(以下「不適用届出書」といいます。)を、課税事業者をやめようとする課税期間の前の課税期間中に提出することが必要です。

ただし、次に掲げる場合には、事業を廃止した場合を除き、それぞれの日以後でなければ不適用届出書を提出することができません。

(1) (2)に該当しない場合には、選択届出書の提出があった日の属する課税期間の翌課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日

(2) 選択届出書を提出し、その届出書の提出があった日の属する課税期間の翌課税期間の初日から2年を経過する日までの間に開始した各課税期間(簡易課税制度の適用を受ける課税期間は除きます。)中に国内において調整対象固定資産(注)の課税仕入れや調整対象固定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取り(以下「調整対象固定資産の仕入れ等」といいます。)を行った場合には、その調整対象固定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日から3年を経過する日の属する課税期間の初日(この特例が適用される場合、一定期間簡易課税制度を選択することもできません。)詳しくは、パンフレット「消費税法改正のお知らせ」(平成22年4月)(PDF/3,771KB)をご参照ください。)

(注) 調整対象固定資産とは、棚卸資産以外の資産で、建物およびその附属設備、構築物、機械および装置、船舶、航空機、車両および運搬具、工具、器具および備品、鉱業権等の無形固定資産で、一の取引の単位の価額(消費税および地方消費税に相当する額を除いた価額)が100万円以上のものをいいます。

<基準期間がない法人の納税義務の免除の特例>

新たに設立された法人については、設立当初の2年間は基準期間が存在しないことから、原則として免税事業者となります(注)。

ただし、その事業年度の基準期間がない法人のうち、その事業年度開始の日における資本金の額または出資の金額が1,000万円以上である法人(以下「新設法人」といいます。)や特定新規設立法人に該当する法人の場合、その基準期間のない事業年度については、納税義務は免除されません。「特定新規設立法人」については、コード6503「基準期間がない法人の税義務の免除の特例」をご参照ください。

また、新設法人が、基準期間がない事業年度に含まれる各課税期間(簡易課税制度の適用を受ける課税期間は除きます。)中に調整対象固定資産の仕入れ等を行った場合には、その調整対象固定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間は納税義務が免除されず、簡易課税制度を適用して申告することもできません。

(注) 基準期間が存在しない場合であっても上記「納税義務の免除」の(注1)の規定の適用があります。

詳細は国税庁ホームページをご覧ください。
国内取引の納税義務者|国税庁 (nta.go.jp)