税額控除 ~居住者に係る外国税額控除とは~

2021年7月8日

[令和2年4月1日現在法令等]

居住者に係る外国税額控除とは

居住者が、その年において外国の法令により所得税に相当する租税(以下「外国所得税」といいます。)を納付することとなる場合には、次の算式(1)で計算した金額(以下「所得税の控除限度額」といいます。)を限度として、その外国所得税額をその年分の所得税額から差し引くことができます。

(1) 所得税の控除限度額=その年分の所得税額×(その年分の調整国外所得金額/その年分の所得総額)

また、その外国所得税額が所得税の控除限度額を超える場合には、次の算式(2)で計算した金額(以下「復興特別所得税の控除限度額」といいます。)を限度として、その超える金額をその年分の復興特別所得税額から差し引くことができます。

(2) 復興特別所得税の控除限度額=その年分の復興特別所得税額×(その年分の調整国外所得金額/その年分の所得総額)

(注1) 「その年分の所得税額」とは、配当控除や住宅借入金等特別控除などの税額控除、災害減免額を適用した後の所得税額をいいます。
(注2) 「その年分の所得総額」とは、純損失又は雑損失の繰越控除や上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除などの各種繰越控除の適用を受けている場合には、その適用前のその年分の総所得金額、分離長(短)期譲渡所得の金額(特別控除前の金額)、一般株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る譲渡所得等の金額、申告分離課税の上場株式等に係る配当所得等の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額をいいます。
(注3) 「その年分の調整国外所得金額」とは、純損失又は雑損失の繰越控除や上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除などの各種繰越控除の適用を受けている場合には、その適用前のその年分の国外所得金額(非永住者については、国外所得金額のうち国内において支払われ、又は国外から送金された国外源泉所得に係る部分に限ります。)をいいます。ただし、国外所得金額がその年分の所得総額に相当する金額を超える場合は、その年分の所得総額に相当する金額となります。
(注4) 「その年分の復興特別所得税額」とは、基準所得税額(その年分の所得税額)に2.1%の税率を乗じて計算した金額をいいます。

なお、国外転出をする場合の譲渡所得等の課税の特例の対象となった資産の譲渡等により生じる所得に係る外国所得税(日本以外の国又は地域の居住者等として課されるものに限ります。)を納付することとなる場合で、一定の要件を満たすときは、当該外国所得税額を国外転出の日の属する年において納付することとなるものとみなして外国税額控除の計算をすることができる制度があります。

居住者に係る外国税額控除の対象となる外国所得税の範囲

(1) 外国所得税に含まれるもの
外国所得税とは、外国の法令に基づき外国又はその地方公共団体により個人の所得を課税標準として課される税をいい、外国又はその地方公共団体により課される次のものを含みます。
①超過所得税その他個人の所得の特定の部分を課税標準として課される税
②個人の所得又はその特定の部分を課税標準として課される税の附加税
③個人の所得を課税標準として課される税と同一の税目に属する税で、個人の特定の所得につき、徴税上の便宜のため、所得に代えて収入金額その他これに準ずるものを課税標準として課されるもの
④個人の特定の所得につき、所得を課税標準とする税に代え、個人の収入金額その他これに準ずるものを課税標準として課される税

(2) 外国所得税に含まれないもの
外国又はその地方公共団体により課される税であっても、次のものは外国所得税に含まれません。
①税を納付する人が、その税の納付後、任意にその金額の全部又は一部の還付を請求することができる税
②税を納付する人が、税の納付が猶予される期間を任意に定めることができる税
③複数の税率の中から税を納付することとなる人と外国若しくはその地方公共団体又はこれらの者により税率を合意する権限を付与された者との合意により税率が決定された税のうち一定の部分
④外国所得税に附帯して課される附帯税に相当する税その他これに類する税

(3) 居住者に係る外国税額控除の対象とならない外国所得税額
外国所得税であっても、次の税額は、居住者に係る外国税額控除の対象にはなりません。
①通常行われる取引と認められない一定の取引に基因して生じた所得に対して課される外国所得税額
②資本の払戻しなど所得税法第25条第1項各号に掲げる事由により交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額に対して課される外国所得税額(その交付の基因となったその法人の株式又は出資の取得価額を超える部分の金銭に対して課される部分を除きます。)
③居住者が有する株式又は出資を発行した外国法人の本店又は主たる事務所の所在する国や地域の法令に基づき、その外国法人の課税標準等又は税額等につき更正又は決定に相当する処分があった場合において、その処分が行われたことにより増額された外国法人の所得金額相当額に対し、所得税法第24条第1項に規定する剰余金の配当等の額に相当する金銭の支払とみなして課される外国所得税額
④国外事業所等から事業場等への支払につきその国外事業所等の所在する国又は地域において当該支払に係る金額を課税標準として課される外国所得税額
⑤租税特別措置法第9条の8に規定する非課税口座内上場株式等の配当等又は同法第9条の9第1項に規定する未成年者口座内上場株式等の配当等に対して課される外国所得税額
⑥居住者がその年以前の年において非居住者であった期間内に生じた所得に対して課される外国所得税額
⑦外国法人から受ける租税特別措置法第40条の5第1項に規定する剰余金の配当等の額(同項又は同条第2項の規定の適用を受けるものに限ります。)を課税標準として課される一定の外国所得税額
⑧外国法人から受ける租税特別措置法第40条の8第1項に規定する剰余金の配当等の額(同項又は同条第2項の規定の適用を受けるものに限ります。)を課税標準として課される外国所得税額
⑨日本が租税条約を締結している相手国等において課される外国所得税額のうち、その租税条約の規定(当該外国所得税の軽減又は免除に関する規定に限ります。)によりその相手国等において課することができることとされる額を超える部分に相当する金額又は免除することとされる額に相当する金額
⑩外国において課される外国所得税額のうち、外国居住者等の所得に対する相互主義による所得税等の非課税等に関する法律の規定により、外国居住者等の対象国内源泉所得に対して所得税を軽減し、又は課さないこととされる条件と同等の条件により軽減することとされる部分に相当する金額又は免除することとされる額に相当する金額
⑪居住者の所得に対して課される外国所得税額で租税条約の規定において外国税額控除をされるべき金額の計算に当たって考慮しないものとされるもの

国外所得金額とは

国外所得金額は、次に掲げる国外源泉所得に係る所得の金額の合計額(その合計額が0円を下回る場合には、0円)となります。この国外所得金額につき、純損失又は雑損失の繰越控除や上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除などの各種繰越控除の規定を適用しないで計算した金額が、その年分の調整国外所得金額として所得税の控除限度額の計算の基礎となります。
なお、租税条約の適用を受ける居住者については、その租税条約において次の国外源泉所得に関して異なる定めがある場合には、その異なる定めによることとされています。

(1) 国外事業所等帰属所得
居住者が国外事業所等を通じて事業を行う場合において、その国外事業所等がその居住者から独立して事業を行う事業者であるとしたならば、その国外事業所等に帰せられるべき所得をいいます。国外事業所等帰属所得の金額は、原則として、その国外事業所等を通じて行う事業につき居住者の各年分の所得の金額の計算に関する法令の規定に準じて計算した場合にその年分の総所得金額、分離長(短)期譲渡所得の金額(特別控除前の金額)、一般株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る譲渡所得等の金額、申告分離課税の上場株式等に係る配当所得等の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、退職所得金額及び山林所得金額となる金額です。
(注) 「国外事業所等」とは、租税条約に定める恒久的施設等に相当するものをいいます。

(2) その他の国外源泉所得
次の国外源泉所得((1)の国外事業所等帰属所得に該当するものを除きます。)をいいます。その他の国外源泉所得の金額は、その所得のみについて各年分の所得税を課するものとした場合に課税標準となるべきその年分の総所得金額、分離長(短)期譲渡所得の金額(特別控除前の金額)、一般株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る譲渡所得等の金額、申告分離課税の上場株式等に係る配当所得等の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額に相当する金額となります。

①国外にある資産の運用又は保有により生ずる所得
②国外にある資産の譲渡により生ずる一定の所得
③国外において人的役務の提供を主たる内容とする一定の事業を行う者が受けるその人的役務の提供に係る対価
④国外にある不動産、国外にある不動産の上に存する権利若しくは国外における採石権の貸付け、国外における租鉱権の設定又は非居住者若しくは外国法人に対する船舶若しくは航空機の貸付けによる対価
⑤所得税法第23条第1項(利子所得)に規定する利子等及びこれに相当するもののうち次のもの
 イ 外国の国債若しくは地方債又は外国法人の発行する債券の利子
 ロ 国外にある営業所に預け入れられた預貯金の利子
 ハ 国外にある営業所に信託された合同運用信託若しくはこれに相当する信託、公社債投資信託又は公募公社債等運用投資信託若しくはこれに相当する信託の収益の分配
⑥所得税法第24条第1項(配当所得)に規定する配当等及びこれに相当するもののうち次のもの
 イ 外国法人から受ける剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配、金銭の分配又は基金利息に相当するもの
 ロ 国外にある営業所に信託された投資信託(公社債投資信託並びに公募公社債等運用投資信託及びこれに相当する信託を除きます。)又は特定受益証券発行信託若しくはこれに相当する信託の収益の分配
⑦国外において業務を行う者に対する貸付金等でその業務に係るものの利子(債券現先取引から生ずる一定の差益を含みます。)
⑧国外において業務を行う者から受ける次の使用料又は対価でその業務に係るもの
 イ 工業所有権その他の技術に関する権利、特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるものの使用料又はその譲渡による対価
 ロ 著作権(出版権及び著作隣接権その他これに準ずるものを含みます。)の使用料又はその譲渡による対価
 ハ 機械、装置、車両及び運搬具、工具並びに器具及び備品の使用料
⑨次の給与、報酬又は年金
 イ 俸給、給料、賃金、歳費、賞与又はこれらの性質を有する給与その他人的役務の提供に対する報酬のうち、国外において行う勤務その他の人的役務の提供(内国法人の役員として国外において行う勤務及び居住者又は内国法人が運航する船舶又は航空機において行う勤務等を除きます。)に基因するもの
 ロ 外国の法令に基づく制度で国民年金法、厚生年金保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法、独立行政法人農業者年金基金法及び石炭鉱業年金基金法の規定による社会保険又は共済に関する制度に類するものに基づいて支給される年金等
 ハ 所得税法第30条第1項に規定する退職手当等のうちその支払を受ける者が非居住者であった期間に行った勤務その他の人的役務の提供(内国法人の役員として非居住者であった期間に行った勤務その他の一定の人的役務の提供を除きます。)に基因するもの
⑩国外において行う事業の広告宣伝のための一定の賞金
⑪国外にある営業所等を通じて締結した保険業法第2条第6項に規定する外国保険業者、同条第3項に規定する生命保険会社又は同条第4項に規定する損害保険会社の締結する保険契約等に基づいて受ける年金(年金の支払の開始の日以後にその契約等に基づき分配を受ける剰余金又は割戻しを受ける割戻金及びその契約等に基づき年金に代えて支給される一時金を含みます。)
⑫次の給付補填金、利息、利益又は差益
 イ 定期積金契約に基づく給付補填金のうち国外にある営業所が受け入れた定期積金に係るもの
 ロ 銀行法第2条第4項の契約に基づく給付補填金に相当するもののうち国外にある営業所が受け入れた掛金に相当するものに係るもの
 ハ 国外にある営業所を通じて抵当証券法第1条第1項に規定する抵当証券に基づき締結された一定の契約に相当するものに係る利息
 ニ 国外にある営業所を通じて締結された貴金属等の売戻し条件付売買に関する契約に係る利益
 ホ 外貨建預貯金で、その元本及び利子をあらかじめ約定した率により円又はその外貨以外の外貨に換算して支払うこととされているものの差益のうち国外にある営業所が受け入れた預貯金に係るもの
 へ 国外にある営業所等を通じて締結された一時払養老保険又は一時払損害保険契約等に相当するものに係る一定の差益
⑬国外において事業を行う者に対する出資につき、匿名組合契約等に基づいて受ける利益の分配
⑭国内及び国外にわたって船舶又は航空機による運送の事業を行うことにより生ずる所得のうち国外において行う業務につき生ずべき一定の所得
⑮租税条約の規定によりその租税条約の相手国等において租税を課することができることとされる所得のうち外国所得税が課されるもの
⑯上記①~⑮までに掲げるもののほか、次の国外源泉所得
 イ 国外において行う業務又は国外にある資産に関し受ける保険金、補償金又は損害賠償金等に係る所得
 ロ 国外にある資産の法人からの贈与により取得する所得
 ハ 国外において発見された埋蔵物又は国外において拾得された遺失物に係る所得
 二 国外において行う懸賞募集に基づいて懸賞として受ける経済的な利益に係る所得
 ホ 国外においてした行為に伴い取得する一時所得
 へ 国外において行う業務又は国外にある資産に関し供与を受ける経済的な利益に係る所得

居住者に係る外国税額控除の計算方法

居住者に係る外国税額控除は、外国所得税(居住者に係る外国税額控除の対象となるものに限ります。以下同じです。)を納付することとなる日の属する年分の所得税及び復興特別所得税の額から、それぞれ次の金額を控除します(注)。

(1) その年分の外国所得税額が所得税の控除限度額に満たない場合
 外国税額控除額は、その年分の外国所得税額となります。

(2) その年分の外国所得税額が所得税の控除限度額を超える場合
 外国税額控除額は、その年分の所得税の控除限度額と、次の①または②のいずれか少ない方の金額の合計額となります。
 ①その年分の外国所得税額から所得税の控除限度額を差し引いた残額
 ②その年分の復興特別所得税の控除限度額
 (注) 継続してその納付することが確定した外国所得税額を実際に納付した日の属する年分において控除している場合には、その方法も認められます。

居住者に係る外国税額控除の繰越控除

次の場合には、上記4で述べた控除額に加え、その年分の前年以前3年内の各年から繰り越された外国所得税額又は所得税の控除限度額を基に計算した一定の金額をその年分の所得税額から控除します。

(1) 外国所得税額が控除限度額を超える場合
その年において納付することとなる外国所得税額が、その年の所得税の控除限度額及び復興特別所得税の控除限度額と地方税の控除限度額(その年の所得税の控除限度額に30%を乗じた金額)との合計額を超える場合において、その年の前年以前3年内の各年の所得税の控除限度額のうち、その年に繰り越される部分の金額(以下「繰越控除限度額」といいます。)があるときは、その繰越控除限度額を限度として、その超える部分の金額をその年分の所得税額から控除します。

(注1) 「繰越控除限度額」とは、その年の前年以前3年以内の各年の所得税の控除余裕額又は地方税の控除余裕額を、最も古い年のものから順次に、かつ、同一年のものについては所得税の控除余裕額及び地方税の控除余裕額の順に、その年の控除限度超過額に充てるものとした場合にその控除限度超過額に充てられることとなるその所得税の控除余裕額の合計額に相当する金額をいいます。

(注2) 「所得税の控除余裕額」とは、その年において納付することとなる外国所得税額がその年の所得税の控除限度額に満たない場合におけるその所得税の控除限度額からその外国所得税額を控除した金額に相当する金額をいいます。

(注3) 「地方税の控除余裕額」とは、①その年において納付することとなる外国所得税額がその年の所得税及び復興特別所得税の控除限度額を超えない場合には、その年の地方税の控除限度額に相当する金額を、②その年において納付することとなる外国所得税額がその年の所得税及び復興特別所得税の控除限度額を超え、かつ、その超える部分の金額がその年の地方税の控除限度額に満たない場合には、その地方税の控除限度額からその超える部分の金額を控除した金額に相当する金額をいいます。

(注4) 「控除限度超過額」とは、その年において納付することとなる外国所得税額がその年の所得税及び復興特別所得税の控除限度額と地方税の控除限度額との合計額を超える場合におけるその超える部分の金額に相当する金額をいいます。

(2) 外国所得税額が控除限度額に満たない場合
その年において納付することとなる外国所得税額がその年の所得税の控除限度額に満たない場合において、その年の前年以前3年内の各年において納付することとなった外国所得税額のうち、その年の繰り越される部分の金額(以下「繰越外国所得税額」といいます。)があるときは、その控除限度額からその年において納付することとなる外国所得税額を控除した残額を限度として、その繰越外国所得税額をその年分の所得税額から控除します。

(注) 「繰越外国所得税額」とは、その年の前年以前3年以内の各年の控除限度超過額を最も古い年のものから順次その年の所得税の控除余裕額に充てるものとした場合にその所得税の控除余裕額に充てられることとなるその控除限度超過額の合計額に相当する金額です。

外国所得税額に異動が生じた場合

(1) 外国所得税額が減額された場合
居住者に係る外国税額控除の適用を受けた年の翌年以後7年内の各年において、その適用を受けた外国所得税額が減額された場合においてその減額されることとなった日の属する年分における外国税額控除等の計算は、次のとおりです。

①その減額されることとなった日の属する年(以下「減額に係る年」といいます。)において納付することとなる外国所得税額(以下「納付外国所得税額」といいます。)からその減額された外国所得税額(以下「減額外国所得税額」といいます。)に相当する金額を控除し、その控除後の金額につき外国税額控除を適用します。
②減額に係る年に納付外国所得税額がない場合又は納付外国所得税額が減額外国所得税額に満たない場合には、減額に係る年の前年以前3年内の各年の控除限度超過額から、それぞれ減額外国所得税の全額又は減額外国所得税のうち納付外国所得税額を超える部分の金額に相当する金額を控除し、その控除後の金額について外国税額控除を行います。
③減額外国所得税額のうち上記①及び②の外国税額控除の適用額の調整に充てられない部分の金額は、外国所得税額が減額された年分の雑所得の金額の計算上、総収入金額に算入します。

(2) 外国所得税額が増額された場合
居住者が外国所得税額につき居住者に係る外国税額控除の適用を受けた場合において、その適用を受けた年分後の年分にその外国所得税額の増額があり、かつ、居住者に係る外国税額控除の適用を受けるときは、増額した外国所得税額は、その増額のあった日の属する年分において新たに生じたものとして居住者に係る外国税額控除の計算を行います。

居住者に係る外国税額控除を受けるための手続

居住者に係る外国税額控除の適用を受けるためには、次の書類を確定申告書、修正申告書又は更正請求書(以下「申告書等」といいます。)に添付する必要があります。この場合に外国税額控除として控除されるべき金額等は、一定の場合を除き、次の(1)の明細書に記載された金額が限度となります。

(1) 『外国税額控除に関する明細書(居住者用)
(2) 外国所得税額を課されたことを証する書類
(3) 外国の法令により課される税の名称及び金額、その税を納付することとなった日及びその納付の日又は納付予定日、その税を課する外国又はその地方公共団体の名称並びにその税が外国税額控除の対象となる外国所得税に該当することについての説明を記載した書類
(4) 外国所得税が減額され、上記6(1)の適用がある場合には、減額に係る年において減額された外国所得税額につきその減額された金額及びその減額されることとなった日並びにその外国所得税額がその減額に係る年の前年以前の各年において控除されるべき金額の計算の基礎となったことについての説明を記載した書類
(5) 上記(3)の税を課されたことを証するその税に係る申告書の写し又はこれに代わるべきその税に係る書類及びその税が既に納付されている場合にはその納付を証する書類(納税証明書や更正決定に係る通知書、賦課決定通知書、納税告知書、源泉徴収票などを含みます。)
(6) 国外源泉所得の金額の計算に関する明細を記載した書類

また、上記5で述べたような繰越控除限度額や繰越外国所得税額がある場合で外国税額控除の繰越控除をするときは、それらに係る年のうち最も古い年以後の各年について、その各年の控除限度額やその各年において納付することとなった外国所得税額を記載した『外国税額控除に関する明細書(居住者用)』と申告書等を提出し、かつ、居住者に係る外国税額控除の繰越控除の適用を受けようとする年分の申告書等にこれらの控除を受ける金額を記載するとともに、『外国税額控除に関する明細書(居住者用)』を添付する必要があります。
 なお、このときの外国税額控除額として控除されるべき金額等は、一定の場合を除き、その各年分の申告書等に添付した『外国税額控除に関する明細書(居住者用)』にその各年の控除限度額やその各年において納付することとなった外国所得税額等として記載した金額を基礎として計算した金額が限度となります。

(所法44の3、95、95の2、所令93の2、221~226の2、所規41~43、所基通95-1~95-30、95の2-1、95の2-2、復興財確法13、14、復興所得税令3)

詳しくは国税庁ホームページをご確認ください。
No.1240 外国税額控除|国税庁 (nta.go.jp)