【国税庁】資本的支出を行った場合の減価償却

2022年5月10日

[令和3年9月1日現在法令等]

対象税目

所得税

概要

減価償却資産に対して資本的支出(固定資産の使用可能期間を延長または価額を増加させる部分に対応する支出の金額)を行った場合、その資本的支出は減価償却の方法により各年分の必要経費に算入することになります。

(注) 一般に修繕費といわれるものでも固定資産の使用可能期間を延長または価額を増加させたりする部分の支出は資本的支出とされ、修繕費とは区別されます(詳細はコード1379を参照してください。)。

<内容>
資本的支出を行った場合の減価償却は次のようになります。

1.平成19年3月31日以前に行った資本的支出

その資本的支出を行った減価償却資産の取得価額に、その資本的支出を加算して減価償却を行います。

2.平成19年4月1日以後に行った資本的支出

(1)原則

その資本的支出を行った減価償却資産と種類および耐用年数を同じくする減価償却資産を新たに取得したものとして、その資本的支出を取得価額として減価償却を行います。

(2)特例

イ 平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産に資本的支出を行った場合

上記(1)の原則にかかわらず、その資本的支出を行った減価償却資産の取得価額に、その資本的支出を加算して減価償却を行うことができます。

ロ 定率法を採用している減価償却資産に資本的支出を行った場合

平成19年4月1日以後に取得した定率法を採用している減価償却資産に資本的支出を行った場合、資本的支出を行った翌年1月1日において、その資本的支出を行った減価償却資産の期首未償却残高と上記(1)の原則により新たに取得したものとされた減価償却資産(資本的支出の部分)の期首未償却残高の合計額を取得価額とする一の減価償却資産を新たに取得したものとして減価償却を行うことができます。

(注)平成23年12月の償却率の改正により、平成24年4月1日以後に取得したものとされる減価償却資産については200パーセント定率法を、平成24年3月31日以前に取得した減価償却資産は250パーセント定率法を適用することになります。

このように、異なる償却率が適用されることから、平成24年3月31日以前に取得した減価償却資産(以下「旧減価償却資産」といいます。)に平成24年4月1日以後に資本的支出を行った場合には、旧減価償却資産とその資本的支出を合算して一の減価償却資産を新たに取得したものとする特例の適用はありません。

ハ 同一年中に複数回の資本的支出を行った場合の特例

同一年中に複数回行った資本的支出につき定率法を採用している場合で、上記ロの適用を受けない場合には、資本的支出を行った翌年1月1日において、上記(1)の原則により新たに取得したものとされた減価償却資産(資本的支出の部分)のうち、種類および耐用年数を同じくするものの期首未償却残高の合計額を取得価額とする一の減価償却資産を新たに取得したものとして減価償却を行うことができます。

なお、平成24年中に複数回の資本的支出を行った場合は、平成24年3月31日までに行った資本的支出により新たに取得したものとされる減価償却資産と平成24年4月1日以後に行った資本的支出により新たに取得したものとされる減価償却資産とは、異なる種類および耐用年数の資産とみなされます。

詳細は国税庁ホームページをご確認ください。
資本的支出を行った場合の減価償却|国税庁 (nta.go.jp)