税額控除 ~給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の税額控除~

2021年11月8日

[令和2年4月1日現在法令等]

概要

この制度は、青色申告書を提出する個人が令和元年から令和3年までの各年において、国内雇用者に対して支払う給与等支給額が適用年の前年の給与等支給額に比して一定割合以上増加した場合に、税額控除が認められます。

適用対象者

この制度の適用対象者は、青色申告書を提出する個人です。

適用対象年分

この制度は、令和元年から令和3年までの各年(事業開始日及び廃止日を含む年は除きます。)において適用できます。

適用条件

この制度の適用を受けるには、次の区分に応じて要件全てを満たす必要があります

(1)中小事業者の場合
 イ 雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額以上であること
 ロ 継続雇用者給与等支給額から継続雇用者比較給与等支給額を控除した金額の継続雇用者比較給与等支給額に対する割合が100分の1.5以上であること

(2)中小事業者以外の場合
 イ 雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額以上であること
 ロ 継続雇用者給与等支給額から継続雇用者比較給与等支給額を控除した金額の継続雇用者比較給与等支給額に対する割合が100分の3以上であること
 ハ 国内設備投資額がその償却費総額の100分の90(令和3年分以降は100分の95)に相当する金額以上であること

税額控除限度額

税額控除限度額は、次のとおりです。
なお、税額控除限度額が調整前事業所得税額の20%を超える場合には、その20%が控除限度額となります。

(1)中小事業者の場合
適用年分の雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額の15%(継続雇用者給与等支給額から継続雇用者比較給与等支給額を控除した金額の継続雇用者比較給与等支給額に対する割合が100分の2.5以上で次の要件のいずれかを満たす場合には25%)相当額です。
 イ 適用年分の事業所得の計算上必要経費に算入される教育訓練費が前年分の教育訓練費より100分の10以上増加していること
 ロ 中小企業等経営強化法の認定を受けた中小事業者で、経営力向上計画に記載された経営力向上が確実に行われたことにつき一定の証明がされたものであること

(2)中小事業者以外の場合
適用年分の雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額の15%(適用年分の事業所得の計算上必要経費に算入される教育訓練費の額から比較教育訓練費の額を控除した金額の比較教育訓練費の額に対する割合が100分の20以上である場合には20%)相当額です。

その他注意点

(1)この制度の適用を受けるためには、確定申告書に控除を受ける金額の記載及びその金額の計算に関する明細書を添付する必要があります。
(2)この制度の適用を受ける場合は、復興産業集積区域において被災雇用者等を雇用した場合の税額控除、企業立地促進区域において避難対象雇用者等を雇用した場合の税額控除、避難解除区域等において避難対象雇用者等を雇用した場合の税額控除は適用できません。なお、雇用者の数が増加した場合の所得税額の特別控除制度(コード1280)の適用を受ける年分においては、控除額の調整を行ったうえで適用されます。

(措法10の5、措法10の5の4、措令5の6の3、震災特例法10の3、同10の3の2、同10の3の3、平30改正法附則65、令2改正法附則57)

詳しくは国税庁ホームページをご確認ください。
No.1286 給与等の引上げ及び設備投資を行なった場合等の税額控除|国税庁 (nta.go.jp)