開業からの流れ

1.開業しました!

開業届

個人事業の開業が決定したら、原則として住所地を管轄する税務署へ1か月以内に「個人事業の開業・廃業等届出書」を出しましょう。ただし、事業者は住所地のほかに事業所地や居所地を管轄する税務署とすることも出来ます。提出は届出書を作成のうえ持参又は送付により提出します。

青色申告

個人で青色申告の出来る方は、事業所得者や不動産所得者・山林所得者になります。青色申告をしたい方は、開業の日から2か月以内または、最初の申告をしようとする年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」も提出しましょう(相続により事業を承継した場合を除く)。ただし、1月16日以後に新たに開業された方は開業の日から2か月以内に提出すればよいことになっています。

メリット

青色申告をすると、白色申告にはない数多くの特典があります。特別控除が受けられたり、事業主と生計をともにしている配偶者や親族に払った給与が必要経費となる場合がある等、色々なメリットがあります。是非管轄の青色申告会にご相談下さい!
「所得税の青色申告承認申請書」を提出していないときは白色申告として申告することになります。

▶青色申告制度の特典について詳しくはこちら

2.お仕事開始!記帳しましょう!

開業して仕事が始まりました。売り上げが発生し、仕入れも必要になってきました。お金が出たり入ったりするようになったので、お金を管理する為に記帳しなくてはなりません。平成26年1月から白色申告の方も記帳と帳簿等の保存が必要になり、事業者の全てに記帳・帳簿の保存が義務付けられています。
個人事業主の会計期間は1月1日~12月31日となります。青色申告の記帳には、正規の簿記の原則に従った「複式簿記」と「簡易簿記」の2種類があります。控除を多く受ける為には「複式簿記」の記帳が必要です。青色申告特別控除65万円をご利用の場合には、正規の簿記の原則に従った記帳による「貸借対照表」の添付が必要です。(不動産貸付業で事業的規模でない場合を除く)

複式簿記(手書きの場合)

取引の発生

仕訳

振替伝票の記入

総勘定元帳への転記

総勘定元帳の締切り

月別試算表の作成

決算処理

貸借対照表・損益計算書
(青色申告決算書)

まず、複式簿記での記帳をはじめるには個人事業主の方は個人の部分と事業の部分との区別が必要になります。特に普通預金や定期預金・定期積金などは記帳開始前に区別します。

事業を開始する時点での残高を確認します。(開始残高と呼びます)
手持ちの現金残高・事業用の預金残高などや固定資産の残高、借入金の残高など開始時点の残高を整理します。
日々の取引を振替伝票に記入します。
その振替伝票を総勘定元帳に転記し、月ごとに合計をとります。
月ごとの合計額を月別試算表に転記します。

パソコン会計(複式簿記)

取引の発生

仕訳

振替伝票の記入

総勘定元帳への転記

総勘定元帳の締切り

月別試算表の作成

決算処理

貸借対照表・損益計算書
(青色申告決算書)
    の項目は会計ソフトが自動的に行います。

手書きの場合と同じく複式簿記での記帳をはじめるには個人事業主の方は個人の部分と事業の部分との区別が必要になります。特に普通預金や定期預金・定期積金などは記帳開始前に区別します。

事業を開始する時点での残高を確認します。(開始残高と呼びます)
手持ちの現金残高・事業用の預金残高などや固定資産の残高、借入金の残高などを会計ソフトに入力し、日々の取引を入力します。簿記の知識のある方は振替伝票か仕訳日記帳から入力します。それ以外の方は現金出納帳や預金出納帳から入力します。
会計ソフトが総勘定元帳へ転記・集計をし、月別試算表(貸借対照表・損益計算書)を作成してくれます。

簡易簿記

小規模な不動産所得者(おおむね独立した貸家5棟、共同住宅10室未満)の方や青色申告特別控除10万円の適用を受ける方は簡易簿記と呼ばれる帳簿の記帳が必要です。

簡易帳簿には、現金出納帳・経費帳・売掛帳・買掛帳・固定資産台帳などの種類があり、業種や取引形態などによって記帳する帳簿が異なります。

現金出納帳  経費帳  売掛帳  買掛帳  固定資産台帳

小規模不動産所得者や複式簿記はハードルが高いと思われる方は簡易簿記10万控除にチャレンジ!

現金出納帳

現金での取引のある方が必要になります。必ずこの帳簿は必要になると思われます。

経費帳

経費を科目ごとに区分して記帳します。必ずこの帳簿は必要になると思われます。

売掛帳

売上の回収を掛けで行う方が記帳します。業種や取引形態によって必要になります。

買掛帳

仕入の支払を掛けで行う方が記帳します。業種や取引形態によって必要になります。

固定資産台帳

事業用の固定資産(仕事で使用する機械や車などを減価償却しているもの)がある方が記帳します。

帳簿書類の保存期間は次のとおりです。(複式簿記・簡易簿記とも)

帳簿など7年
決算関係の書類7年
現金預金などの書類7年
(前々年分所得300万円以下の方は5年)
その他の書類5年

※原則として会計ソフトを利用した場合も、プリントした帳簿の保存が必要です。

白色申告

白色申告の方(青色申告者以外)でも、次のような記帳・帳簿等保存制度が設けられています。

対象となる方

事業所得、不動産所得又は山林所得を生ずべき業務を行う全ての方です。
※所得税の申告が必要ない方も、記帳・帳簿等の保存制度の対象となります 。

記帳する内容

売上げなどの収入金額、仕入れや経費に関する事項について、取引の年月日、売上先・仕入先その他の相手方の名称、金額、日々の売上げ・仕入れ・経費の金額等を帳簿に記載します。
記帳に当たっては、一つ一つの取引ごとではなく日々の合計金額をまとめて記載するなど、簡易な方法で記載してもよいことになっています。

帳簿等の保存

収入金額や必要経費を記載した帳簿のほか、取引に伴って作成した帳簿や受け取った請求書・領収書などの書類を保存する必要があります。

【記帳・書類の保存期間】

保存が必要なもの保存期間
帳簿収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿)7年
 業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿)5年
書類決算に関して作成した棚卸表その他の書類5年
 業務に関して作成し、又は受領した請求書、納品書、送り状、
領収書などの書類

記帳がよく判らない、不安があるという方は、管轄の青色申告会にご相談下さい!

3.従業員を雇う場合

仕事が忙しくなってきたので、従業員を雇うことになりました。という場合、給与を支払うことになるので、1か月以内に税務署に「給与支払事務所等の開設届出書」を届け出ます。事業主さんは源泉所得税の徴収義務者となる為、給与から源泉所得税を算出し、その月の分を翌月10日までに納付しなくてはなりません。ですが、常時雇入れている従業員数が10人未満で、毎月納付から半年納付に変更したいときは「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出した場合、1月~6月までの分を原則7月10日まで、7月~12月までの分の原則1月20日までの納付・提出となります。ただし、この申請書を提出した月の翌月分(※徴収月か納付月かによって翌月か翌々月か変わってきます)からの適用となります。
税額は※源泉徴収税額表にて算出し、所得税徴収高計算書(納付書)を添えて、納付します。最新の源泉徴収税額表をご使用下さい。

従業員さんに1年の最後のお給料を渡す時には、年末調整をします。
年末調整とは、毎月のお給与から徴収した所得税及び復興特別所得税の合計と、従業員さんの控除する額を計算し算出した年税額との、差額を清算することです。通常の場合は12月に行います。

年間の収入金額から年間の所得税額を計算するには、

  1. 給料や賞与などの合計額を給与所得控除後の給与等の金額の表にあてはめ給与所得控除後の金額を計算します。
    注)源泉所得税関係 ●年末調整の手順と税額の速算表等
  2. 所得控除額の合計を計算します。所得控除には、基礎控除や配偶者控除・扶養控除、社会保険料控除、生命保険控除、地震保険料控除などがあります。
  3. 給与所得控除後の金額から所得控除の合計額を差し引きます。
  4. 差し引きした金額に所得税の税率を適用し所得税額を計算します。
  5. 住宅借入金等特別控除などの税額控除などを差し引きし、年調所得税額を計算します。
  6. 年調所得税額に102.1%を乗じて復興特別所得税を含む年調税額を算出します。

4.1年をまとめよう!

1~12月までの記帳を済ませたら、いよいよ決算整理を行います。ここで、この1年間の経営成績や財政状態を把握します。その結果を国に報告しましょう。これが確定申告です。場合によっては、控除が受けられ、支払い税額が減ることもあります。

決算処理

日々の記帳しているものとは別に、計上した経費の中から家事費の部分を除いたり、未収金や未払金を振り替えたりすることです。翌年以降の経費とするべきものや、本来は収入に計上すべき取引がもれていることも考えられます。整理を行う項目は職業や事業形態、記帳の仕方で変わります。

そのなかでも、一般的な決算整理をご説明します。

売上金額と売掛金・仕入金額と買掛金

売上や仕入の計上時期は原則として、発生主義で計上します。
商品などの受け渡しの時期や役務の提供などをした時期とその代金の回収時期が異なる場合、商品などの受け渡しの時期や役務の提供などをした時期で売上や仕入に計上することを発生主義といいます。
また、その代金を回収・支払までの期間を売掛金・買掛金という科目で取り扱います。

年末棚卸高の計算

年末にて仕入れた商品などが在庫となった場合は、最終仕入原価法にて期末棚卸高の金額を算出します。最終仕入原価法とは最後に仕入れた各商品のそれぞれ単価で計算する方法です。
その棚卸金額の期首分を仕入に加え、期末分を仕入から除いて本年の売上原価を計算します。

家事消費

仕入れた商品や製品などを事業とは関係のない家庭等で消費することをいいます。
本来、家庭で消費するべきものは仕入に計上することができません。仕入金額から家庭で使った分を除くことは困難なので、その分を売上の項目の家事用消費(自家消費)に計上します。金額は通常販売価格の70%と取得価額(仕入価額)のいずれか大きい金額で消費(売上計上)すればよいこととなっています。

家事関連費の按分

事業と家庭の両方で使用する費用などで、支払った時点で全額を経費に計上しているものは年末で家庭分を経費の合計額から除く(按分)必要があります。
家庭分として按分する割合ですが事業所などは面積按分など、車両や電話・電気は利用する割合などで按分するのが一般的です。

減価償却費の計算

事業に使用する建物・建物に附属する設備・機械装置・自動車・備品などのうち10万円以上のもので、使用可能期間が1年を超えるもの(減価償却資産)は原則として購入した年にその取得価格を全額経費にすることはできません。
減価償却資産は数年にわたって事業に使うことができます。したがって、減価償却資産を経費に計上する場合には、その取得価格を使用可能期間(耐用年数)に応じて分割して経費にします。この分割して経費に計上することを減価償却といいます。
一般的に使われている方法として定額法と定率法があります。
個人事業者の方で定率法の選択をするには届出書の提出が必要になります。
※所得税の減価償却資産の償却方法の届出手続き

定額法の計算方法

取得価格×0.9×償却率×業務に使用した月数/12
(平成19年3月31日以前に取得したもの)
取得価格×新償却率×業務に使用した月数/12
(平成19年4月1日以後に取得したもの)

定率法の計算方法

前年末の未償却残高 ※×償却率×業務に使用した月数/12
(平成24年4月1日以後の取得は新定率法の償却率を適用)
※取得した年はその取得金額

前払経費と未払経費の計算

前払経費とは、まだモノやサービスの提供を受けていないのに代金を先に支払っているもので、未払経費とはすでにモノやサービスの提供を受けているのに代金の支払がまだのものが該当します。
前払している翌年以降のものは経費から除外し、未払になっている今期のものは経費に計上します。

確定申告

所得税の確定申告は1年間(1月~12月)の個人の所得に対してかかる税金で、所得金額の合計から所得控除を差し引き、残りの金額に税率を適用しさらに税額控除を差し引きます。

所得金額

性質により、利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得・退職所得・山林所得・譲渡所得・一時所得・雑所得 の10種類に分かれています
各所得ごとに収入や必要経費の範囲あるいは所得の計算方法などが定められています。

所得控除

扶養家族が何人いるかなどの個人的な事情を加味して税負担を調整するもので、種類は次のとおりです。
雑損控除・医療費控除・社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除・生命保険料控除・地震保険控除・寄付金控除・障害者控除・寡婦(寡夫)控除・勤労学生控除・配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除・基礎控除

所得税額

所得金額から所得控除を差し引いた金額を課税所得と呼びます。
その課税所得に所得税の税率を適用します。

税額控除など

所得控除とは別に税額控除などと呼ばれるものが次のとおりにあります。
配当控除・住宅借入金等特別控除・政党等寄付金控除・住宅耐震改修特別控除・外国税額控除・源泉所得税額など所得税額から計算した税額控除を差し引きます。
さらに予定納税がある方はその差額が、納める税金となります。

納税

現金納付の場合は3月15日(土日にあたる場合はその翌平日)までに金融機関で納めます。 口座振替の手続きができている方は、4月中旬(毎年変更になります)の引落しとなります。 なお、所得税の確定申告をした方は、住民税・個人事業税の申告をする必要はありません。

償却資産税(固定資産)の申告

事業で使用する有形の減価償却資産などで ・土地や建物、自動車・軽自動車以外のもの ・3年一括償却を選択していないもの は1月末日までに資産が所在する各市町村に申告が必要になります。 ※詳しくは各市町村へお問い合わせ下さい。

免税点

1月1日現在の課税標準となるべき額が150万円未満となる場合は課税されません。 課税標準は評価額を計算した結果となりますので償却資産の多少にかかわらず申告が必要になります。

5.最後に消費税について!

消費税の納付が必要な事業者は前々年(基準期間)における課税売上高が1,000万円を超える方です。課税売上高が1,000万円以下の事業者は納税が免除されます。1,000万円以下であっても、特定期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合は、その課税期間においては課税事業者となります。なお、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判断することもできます。(特定期間とは、個人事業者の場合はその年の前年の1月1日から6月30日までの期間、法人の場合は、原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6か月の期間のことをいいます。)

消費税の確定申告には「本則課税」と「簡易課税」の2種類の計算方法があります。
「簡易課税」で申告する場合には、「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出が必要です。この届出が適用されるには、適用したい年(課税期間)の初日の前日までに提出する必要があります。
この届出書は、事業者が、その基準期間における課税売上高が5,000万円以下である課税期間について、簡易課税制度を適用しようとする場合に提出します。

なお、簡易課税制度を選択した場合は、事業を廃止した場合等を除き、2年間継続した後でなければ簡易課税制度の選択をやめることはできません。

課税売上

課税売上(税込) = 売上高(税込) − 非課税売上等

非課税売上等とは・・・
土地の貸付(一時的なもの以外)や譲渡、商品券・プリペイトカードの販売、住宅の貸付等。

課税期間

平成26年
(基準期間)
平成27年平成28年
(課税期間)
課税売上高
1,000万円超え
売上高に関係なく
課税事業者

消費税の計算方法

消費税の計算方法は一般課税(本則)と簡易課税があります。
簡易課税を選択するには課税期間の前年末日までに※簡易課税制度選択届出書の提出が必要です。

一般課税(本則)

一般課税(本則) 消費税の納付税額
= 課税期間中の課税売上高にかかる消費税額 − 課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額

※課税仕入等とは仕入や経費・購入資産などの課税分
※課税仕入を控除する為には帳簿に法定記載事項を記入し、帳簿及び請求書等の保存が必要になります。

簡易課税

簡易課税 消費税の納付税額
= 課税標準額に対する消費税額 − 課税標準額に対する消費税額×みなし仕入れ率

みなし仕入れ率とは・・・

第1種事業者(卸売業)卸売業90%
第2種事業者(小売業)小売業80%
第3種事業者(製造業等)製造業、建築業など70%
第4種事業者(その他)飲食業60%
第5種事業者(サービス業等)運輸、サービス、保険業など50%
第6種事業者不動産業40%

※この制度は基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者のみの適用になります。
また、2種類以上の事業を営んでいる場合は、区分して記帳をする必要があります。

消費税の納税

現金納付の場合は3月末日(土日にあたる場合はその翌平日)までに金融機関で納めます。
口座振替の手続きができている方は、4月中旬(毎年変更になります)の引き落としとなります。